昭和40年に建設省(国土交通省)より財団法人として認可

受験講習会

土木 1級(学科)

問1
電気磁気に関する次の記述の名称として、適当なものはどれか。

「導線に高周波の電流を流すと、中心に近いほど電流密度は小さくなる。」

  1. ファラデーの法則
  2. ペルチェ効果
  3. アンペアの法則
  4. 表皮効果
正解 4
解説
  1. ファラデーは実験的に、「一つの回路に電磁誘導によって生じる起電力は、この回路に鎖交する磁束数の減少する割合に比例する。」という結論を得た。これをファラデーの法則といっている。
  2. ペルチェ効果は熱電現象の逆の現象で、2種の金属の組合せからなる回路に電流を通ずると、接続点に熱の吸収あるいは発生が生じる現象で、ペルチェによって発見されたものである。
  3. 電流と磁界の方向は右ねじの進む向きと回転の向きとの関係に等しい。これをアンペアの法則という。
    また、起磁力NIによって生じた磁界Hと長さlの閉磁路の関係
    • NI = Hl[A]
    • N : コイルの巻数 I : 電流[A] H : 磁界の強さ[A/m]
    • l : 磁路の長さ[m]
    をアンペアの周回積分の法則という。
  4. 導線に高周波の電流を流すと、表皮効果によって電流は表面に集まろうとして内部の電流は小さくなる。すなわち、内部の導体は電流の伝導にはほとんど関与しなくなるわけで、見掛け上の断面積が減少し、抵抗が大きくなる。導線の直径が小さければ、内部の無駄になる部分が少なく、抵抗の増加が小さい。

したがって、4が適当なものである。

問2
架空送電線の異常電圧に関する記述として、不適当なものはどれか。

  1. フェランチ効果は、無負荷又は軽負荷の長距離送電線において受電端電圧が送電端電圧より高くなる現象である。
  2. 雷雲の誘導による異常電圧を外雷といい、雷雲と電線の間で直接放電する異常電圧を内雷という。
  3. 直列共振による異常電圧は、接地用消弧リアクトルのインダクタンスと対地静電容量の共振によって発生する。
  4. 開閉異常電圧は、送電線路を開閉操作するときに生じる。
正解 2
解説
  1. フェランチ効果とは、深夜のように無負荷又は軽負荷の長距離送電線において、受電端電圧が送電端電圧より高くなる現象を言う。この現象は線路が長いほど、また静電容量が大きいほど著しい。
  2. 雷雲の誘導による異常電圧も雷雲と電線の間で直接放電する異常電圧も、総称して外雷と言う。内雷とは、開閉サージ・1線地絡事故による健全相の電圧上昇等の内部異常電圧のことである。
  3. 直列共振は、接地用消弧リアクトルと対地静電容量のインピ-ダンスの和がゼロに近くなることで、共振によって異常電圧を発生する。
  4. 開閉異常電圧は、送電線路を開閉操作するときに生じる。充電電流のような進み力率の負荷を開閉する時には特に発生する。
  5. したがって、2が不適当なものである。

テキスト参照
当研究所発行の「土木施工管理技術テキスト」
  • 土木一般編 追補
  • 土木一般編 p157
  • 土木一般編 p157
  • 土木一般編 追補

問3
接地工事に関する次の文章中、( )に当てはまる数字の組合せとして、「電気設備の技術基準とその解釈」上、正しいものはどれか。

  1. イ:0.5m   ロ:2.0m
  2. イ:0.5m   ロ:1.8m
  3. イ:0.75m  ロ:2m
  4. イ:0.75m  ロ:1.8m
正解 3
解説
  1. 接地極は、地下75cm以上の深さに埋設すること。
  2. 接地線を鉄柱その他の金属体に沿って施設する場合は、接地極を鉄柱の底面から30cm以上の深さに埋設する場合を除き、接地極を地中でその金属体から1m以上離して埋設すること。
  3. 接地線には、絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線を除く。)又は通信用ケーブル以外のケーブルを使用すること。ただし、接地線を鉄柱その他の金属体に沿って施設する場合以外の場合には、接地線の地表上60cmを超える部分につては、この限りでない。
  4. 接地線の地下75cmから地表上2mまでの部分は、電気用品取締法の適用を受ける合成樹脂管(厚さ2mm未満の合成樹脂製電線管及びCD管を除く。)又はこれと同等以上の絶縁効力及び強さのあるもので覆うこと。

したがって、3が正しいものである。

問4
建設業の許可に関する記述として、「建設業法」上、正しいものはどれか。

  1. 2以上の都道府県の区域内に営業所を設けて営業をしようとする場合には、それぞれの都道府県知事の許可を受けなければならない。
  2. 建設業者は、許可を受けた建設業に係わる建設工事に附帯する他の建設工事を施工する場合は、当該建設工事の許可を受けた建設業者に工事を施工させなければならない。
  3. 建設業の許可を受けてから2年以内に営業を開始しない場合は、その許可を取り消される。
  4. 建設業の許可を受けたものは、5年ごとにその更新を受けなければ、その効力を失う。
正解 4
解説
  1. 建設業法第3条第1項に「2以上の都道府県の区域内に営業所を設けて営業しようとする場合にあっては国土交通大臣の許可を受けなければならない」とあり、誤った記述である。
  2. 法第26条の2第2項によると、この場合は、当該建設工事に関し第7条第二号 イ、ロ、ハ、に該当するものを置いて自ら施工するか、当該建設工事に係わる建設業の許可を受けた建設業者に施工させればよいので、この記述は誤っている。
  3. 法第29条に許可を取り消される事項が定められており、その第1項第三号に「許可を受けてから1年以内に営業を開始せず、又は引き続いて1年以上営業を休止した場合」とあり、誤った記述である。
  4. 法第3条第3項に、このとおり定められており正しい記述である。

したがって、4が正しいものである。