昭和40年に建設省(国土交通省)より財団法人として認可

受験講習会

管工事 1級(学科)

問1
日射に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

  1. 大気の透過率は、大気中に含まれる水蒸気よりも二酸化炭素の量に影響される。
  2. 大気中に含まれる水蒸気の量が多くなると、大気による日射の吸収量も多くなる。
  3. 直達日射と天空日射は、昼間のみに存在するが、雲の厚い日には極めて少なくなる。
  4. 日射の熱エネルギーは、紫外線部よりも赤外線部及び可視線部に存在する。
正解 1
解説
  1. 大気の透過率は,大気中に含まれる細かいちりや水蒸気の量により大きな影響を受ける。
  2. 大気における日射量の吸収量は,大気中に含まれる水蒸気の量により大きな影響を受ける。
  3. 直達日射と天空放射は昼間のみに存在するが,雲の厚い日には極めて少ない。
  4. 日射のエネルギーは,紫外線部にはほとんど含まれず,わずか1~2%で,可視線部に40~45%,赤外線部に53~59%が分布されており,波長にして,0.4~1.1μmの範囲に全日射量の80%が含まれている。

したがって、1が適当でないものである。

問2
熱負荷に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

  1. ブラインドは、室内側に設けるより、外部に設けるほうが熱負荷量が少ない。
  2. 陽の当たらない北面のガラス窓の日射負荷はない。
  3. 冷房計算用の外気温度としてTAC温度を用いる場合、超過確率を小さく取るほど、設計外気温度は高くなる。
  4. サッシからの隙間風負荷は、導入外気量と排気量を調整し、室内を正圧に保つことで無視する。
正解 2
解説
  1. 板ガラスを透過する放射熱を少なくするのに用いるのがブラインドであるが,ブラインドを屋内に設置するとブラインドにより反射した日射がガラスに吸収され,ガラスの温度を上げ伝導負荷となるので,ブラインドは屋外に設置したほうが熱負荷上は有利になる。これと同様に複層ガラスにおいてもブラインドは室内側に設けるより,ガラスの間に設けた方が内側のガラスに吸収される放射エネルギーによる伝導熱が減少するので熱負荷は小さくなる。
  2. 直達日射が当たらない場合でも,日射負荷は0にならず,43 W/㎡・h程度の日射負荷がある。これは,天空放射によるものと考えてよく,温度差による窓ガラスの熱通過量にほぼ近い値である。
  3. 設計用外気温度には,一般に外気温度の累積度数率から求めるTAC温度が用いられている。これは数年以上の夏季4ケ月(6~9月),冬季4ケ月(12~3月)の毎時外気温度の超過確率曲線を求め,超過確率をある一定の割合におさえたときの温度を採用するものである。普通,超過確率25 %の値を用いることが多い。超過確率2.5 %という値は,夏季を例にとると4ヶ月間(2,928時間)のうち73.2時間はその温度より高くなることを意味する。したがって,冷房計算用の外気温度としてTAC温度を用いる場合,超過確率を小さく取るほど,設計用外気温度は高くなる。
  4. 一般に空気調和設備においては,新鮮空気として外気を強制的に導入している場合,導入外気量をすべて強制排気するものでなく,幾分排気量を少なくして室内の圧力を,屋外の圧力よりも幾分高くなるように調節すると,自然換気の影響(隙間風負荷)を無視してよいことが多い。

したがって、2が適当でないものである。

問3
ネットワーク工程表に関する記述のうち、適当でないものはどれか。

  1. 最早開始時刻は、各イベントにおいて最も早く次の作業が開始できる時刻である。
  2. アクティビティの中で自由に使っても、後続するアクティビティに影響を及ぼさない余裕時間のことを、フリーフロートという。
  3. 日程短縮で検討を要するアクティビティは、当初のクリティカルパス上のアクティビティに限られる。
  4. 最早開始時刻と最遅完了時刻が等しいイベントをクリティカルイベントと呼び、クリティカルパスは必ずそこを通る。
正解 3
解説
  1. 各イベントにおいて,最も早く次の作業が開始できる時刻を最早開始時刻と呼ぶ。
  2. アクティビティの中で自由に使っても,後続するアクティビティに影響を及ぼさない余裕時間をフリーフロートという。
  3. クリティカルパスは,すべての経路の中で最も時間が長い経路であり,この経路によって工程は支配される。日程短縮を計るときは,まず,クリティカルパス上のアクティビティを検討すべきではあるが,他のアクティビティについても,フロートを消化してしまうとクリティカルパスになるので,フロートの小さいパスについては,クリティカルパスに準じて管理する必要がある。
  4. 最早開始時刻と最遅完了時刻が等しいイベントをクリティカルイベントと呼び,クリティカルパスは必ずそこを通る。

したがって、3が適当でないものである。

問4
機器の据付けに関する記述のうち、適当でないものはどれか。

  1. パッケージ形空気調和機の冷媒封入量は、屋内機と屋外機間の冷媒配管の長さが標準を超える場合は増やさなければならない。
  2. パッケージ形空気調和機の屋外機の設置にあたっては、騒音を考慮し、設置場所に注意するとともに、必要に応じて、防音壁等も検討する。
  3. 吸収冷凍機は、腐食防止のため窒素ガスが封入されているので、据付け後ただちに大気に開放する。
  4. 分割搬入される密閉形遠心冷凍機は、一般に真空又は窒素加圧の状態で搬入され、据付け後冷媒充填まで気密を保持する。
正解 3
解説

1~4. 一般に、品質特性を決める場合には、主に次の点に留意する必要がある。

  1. 冷媒は,工場出荷時,室内機または屋外機にその機種の標準配管分の冷媒量を封入してあるが,延長配管分は含まれていない。したがって,配管を延長したらその分の冷媒を補充しなければならない。
  2. 屋外機の圧縮機やファンの音が周囲に騒音として迷惑にならないようにするため, 設置場所を検討するとともに必要に応じて防音壁などの防音対策を行う。
  3. 吸収冷凍機は,空気などの漏入による内部腐食の防止を図って工場出荷時に,窒素ガスが封入されているため,据付け後は,工場出荷時の気密が保持されているかチェックを行うため,据付け後ただちに大気に開放してはならない。
  4. 分割搬入される密閉形遠心冷凍機は,前述の吸収冷凍機と同様に空気等による腐食防止のため,真空または窒素加圧の状態となっており,据付け後でも冷媒充填までは気密を保持しなければならない。

したがって、3が適当でないものである。