昭和40年に建設省(国土交通省)より財団法人として認可

受験講習会

土木 1級(学科)

問1
盛土の施工に関する次の記述のうち適当でないものはどれか。

  1. 盛土の基礎地盤に凹凸や段差がある場合は、盛土作業に先立って平坦にかき均す必要がある。
  2. 均一で安定性の高い盛土を作るためには、できるだけ同一の材料で高まきに敷き均し、端部から順次仕上げていくことが望ましい。
  3. 構造物に接して盛土を行う場合、偏土圧により構造物が移動することのないよう両側から均等に薄層で敷き均しながら施工することが必要である。
  4. 傾斜した地山に盛土を施工する場合は、施工中に表面水や浸透水が盛土に流入し易いので排水処理を十分行う必要がある。
正解 2
解説
  1. 盛土は均質で一様な品質のものが要求されるが、盛土の基礎地盤に極端な凹凸や段差がある場合、この凹部や段差付近で十分な締固めができないだけでなく不均一な盛土ができることになり、また、円滑な盛土作業にも支障をきたすことになる。このため、このような段差などは盛土作業に先立ってできるだけ平坦にかき均し、均一な盛土ができるようにする必要がある。したがって、1は適当である。
  2. 盛土の安定性は、施工の良否に大きく左右される。締固めを十分に行うこと、ならびに均一な品質の盛土を作ることが大切である。そのためには高まきを避け、水平の層に薄く敷き均し、均等に締め固めることが重要である。したがって、2は適当でない。
  3. ボックスカルバートなどに接する盛土部は、十分な締固めができず、段差が生じやすい。このため、構造物に接する部分の盛土作業にあたっては良質な盛土材料を使用し、偏土圧をかけないように構造物の両側から均等に締固め作業を行う必要がある。したがって、3は適当である。
  4. 傾斜した地盤に盛土を行う場合、地山との接続部には施工中に表面水や地山からの浸透水が流入することが多いので、側溝や地下排水溝を設けて排水に対する十分な処置を行う必要がある。したがって、4は適当である。
テキスト参照
当研究所発行の「土木施工管理技術テキスト」
  • 土木一般編 p31
  • 土木一般編 p31
  • 土木一般編 p34,35
  • 土木一般編 p33

問2
アルカリ骨材反応抑制対策に関する次の記述のうち適当なものはどれか。

  1. レディーミクストコンクリートを購入する場合、アルカリ骨材反応抑制対策方法については、生産者との協議は必要なく、購入者が指定する。
  2. コンクリート1m3に含まれるアルカリ総量をNa2O換算で5.0kg以下に抑える。
  3. 骨材のアルカリシリカ反応性試験である化学法およびモルタルバー法のいずれもの方法でも無害と確認された骨材を使用する。
  4. JIS R 5213フライアッシュセメントに適合する、フライアッシュセメントB種を使用する。
正解 4
解説
  1. レディーミクストコンクリートを購入して使用する場合は、生産者と協議して、(1)コンクリ中のアルカリ総量、(2)抑制効果のある混合セメント等の使用、(3)安全と認められる骨材の使用の抑制の3つの対策のうち、どの対策によるかを決め、それを指定する。したがって、1は適当でない。
  2. コンクリート1m3に含まれるアルカリ総量を酸化ナトリウム(Na2O)換算で3.0kg以下にする。したがって、2は適当でない。
  3. 骨材のアルカリシリカ反応性試験方法は、化学法またはモルタルバー法により、そのどちらかで無害と認められたものを使用する。したがって、3は適当でない。
  4. 抑制効果のある混合セメント等の使用として、JIS R 5211高炉セメントに適合する高炉セメントB種(スラグ混合比40%以上)またはC種あるいはJIS R 5213フライアッシュセメントに適合するフライアッシュセメントB種(フライアッシュ混合比15%以上)またはC種などを使用する。したがって、4は適当である。
テキスト参照
当研究所発行の「土木施工管理技術テキスト」
  • 土木一般編 追補
  • 土木一般編 p157
  • 土木一般編 p157
  • 土木一般編 追補

問3
河川工事を請負った建設業者が、河川区域内の土地で工事を行う場合、次の記述のうち誤っているものはどれか。ただし、高規格堤防特別区域内の土地での行為を除く。

  1. 官有地の土地において任意仮設の工事用電力のための電線を架設する場合、河川管理者の許可を必要とする。
  2. 民有地においてプレハブによる仮設的な工事現場事務所を設置する場合、河川管理者の許可を必要とする。
  3. 任意仮設の工事用道路を新設するにあたり、高水敷の土地を深さ1m以内で掘削する場合、河川管理者の許可を必要とする。
  4. 工事現場から発生した土砂を、近くで行っている同一河川内の他の河川工事に使用する場合、河川管理者の許可を必要とする。
正解 4
解説
  1. 河川区域内の土地を占用しようとする者は、河川管理者の許可を受けなければならない(法第24条)。ここでいう土地とは、土地の所有権の及ぶ地上および地下を含むものであり、河川区域の上空につり橋や電線を架設する場合も占用の許可を必要とする。
    したがって、1は正しい。
  2. 河川区域内の土地において、工作物を新築する場合は、許可の対象になる(法第26条)。ただし、河川工事を施工するための資機材運搬施設、河川区域内に設けざるを得ない足場などは、河川工事と一体をなすものとして第26条の対象から外れるが、工事現場事務所は必ずしも河川区域内に設けなくてもよいため、この例外に該当せず、許可を必要とする。
    したがって、2は正しい。
  3. 河川区域内の土地において土地の掘削、盛土、切土その他の土地の形状を変更しようとする者は、河川管理者の許可を受けなければならない。これは、河川工事であろうが、仮設であろうが対象となる。
    したがって、3は正しい。
  4. 河川工事または河川維持のため現場付近で行う採取は、河川の管理行為そのものとみなされ、許可を必要としない。なお、民有地を除き、河川区域内の土地において土石や砂、政令で指定された河川の産出物を採取しようとする者は、河川管理者の許可を受けなければならない(河川法第25条)。
    したがって、4は誤っている。
テキスト参照
当研究所発行の「土木施工管理技術テキスト」
  • 土木法規編 p197
  • 土木法規編 p198
  • 土木法規編 p198
  • 土木法規編 p197

問4
品質特性決定の留意点に関する次の記述のうち適当でないものはどれか。

  1. 設計品質に重要な影響を及ぼすものが望ましい。
  2. 一般的には既存の技術で測定可能なものとするが、真の特性との関係が明らかな場合は工程要因を品質特性としてもよい。
  3. 測定しやすい特性であることが重要で、工程に対する処置の取りやすさは問題ではない。
  4. できるだけ工程の初期段階から測定できるもので、すぐに結果が得られるものが望ましい。
正解 3
解説

1~4. 一般に、品質特性を決める場合には、主に次の点に留意する必要がある。

  1. 工程の状態を総合的に表すものであること
  2. 設計品質に重要な影響を及ぼすものであること
  3. 代用特性(求めたい真の特性と密接な関係があり、真の特性の代わりに用いる特性)、または工程要因を品質特性とする場合は真の特性との関係が明らかなものであること
  4. 測定しやすいものであること
  5. 工程に対して処置の取りやすいものであること
  6. 結果が早期に得られるものであること

したがって、1、2、4は適当であり、3は5の理由により適当でない。

テキスト参照
当研究所発行の「土木施工管理技術テキスト」
  • 土木施工編 p298,299
  • 土木施工編 p298,299
  • 土木施工編 p298,299
  • 土木施工編 p298,299